努力が報われる公正な施策で介護職員のモチベーションを上げる

2016年2月3日 00時31分 | カテゴリー: 活動報告

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品川区では、入所・入居施設における良質な介護サービスの提供により入所者の要介護度が軽減された場合に、軽減に至るサービスの質を評価し、奨励金:1段階改善で月2万円を支給するなど独自の施策を行っています。

そもそも、市の職員が頑張っている事業者や介護職員を目の当たりにして、何か報いることはできないかと考えこの制度を思いついたとのことで、当該施設職員の意欲向上を図るとともに、さらに質の高いサービス提供が継続して行われることを推進する目的で平成24年度より品川区施設サービス向上研究会を立ち上げ、加入施設10施設でスタートしました。

平成25年度奨励金交付額は680万円で財源は一般会計からなります。
この年、要介護度が軽減されたとする対象者は47名で要介護度1段階改善者41名、要介護度2段階改善者5名、要介護度3段階改善者1名という実績があります。
主な改善理由として、

・施設職員が日中の過ごし方において、会話を心がけるなどの工夫をした結果、夜間の睡眠も次第に安定し、精神面において改善・安定した。

・栄養状態の改善を目指して、本人の状態に合わせた食事の提供を心がけたところ処方されていた高栄養飲料が中止になるなど改善が見られるようになった。

・清潔保持に努め、褥瘡の処置を毎日行い、部位に負担のないように除圧、オムツの当て方も工夫した結果、褥瘡が完治するとともにバルーンカテーテルを外すことができた。

これは、ほんの一部の紹介ですが介護職員からもこの制度によってモチベーションが上がったなどの前向きな感想がある一方、介護度が下がると介護報酬も下がることを意識するという回答もありました。平成26年度の施設職員アンケートでは、本事業を知って、ケアに対する意欲・意識は向上しましたかの設問に、「はい」と「いいえ」がほぼ同数という結果でこの制度の認知が進んだことによって職員の競争意識を高めるという目標には到達できていないと感じました。

介護報酬が下がった分の補てん策とも受け取れますが、品川の事例は、質の担保を前提に介護度の改善に対する奨励金としながらもグループホーム、小規模多機能居宅サービス等は対象とならないなど、在宅が前提の新施設は対象でないことから正しい税の使われ方なのかは大いに疑問が残りました。

介護報酬引き下げによる経営悪化に陥る事業所もあり、特定の事業者や職員だけではなく、事業者、介護職員、在宅介護保険サービス利用者にも還元されるような奨励制度こそが必要です。