3月議会より~大和市の都市農業について~

2017年3月19日 02時29分 | カテゴリー: 活動報告

本市における都市農業は、消費地に近いという利点を活かし、個人への直売や農産物直売所等を通じた新鮮な農産物の供給という重要な役割を果たす一方、災害時の防災空間の確保や農業体験・交流活動、心やすらぐ緑地空間など多様な役割を果たしています。

農業者の高齢化や農業後継者不足、農地の点在や住宅との近接など、都市農業を取り巻く環境は厳しくなる中、貴重な緑地としての農地を次世代につなげるため、担い手の育成・確保、新規参入者の参入促進を求め質問、提案しました。

中項目1)都市農業と農地を守り、緑を残すしくみづくりについて

都市部の身近にある農地が一斉に失われていく可能性をはらんだ問題「2022年問題」まであと5年と迫りました。

生産緑地法第10条、第11条では、生産緑地の指定から30年経過したとき、あるいは所有者あるいは主たる従事者が死亡または農業従事できなくなった場合に、所有者は市町村に対し買い取りの申出を行うことができ、市町村は特別な事情がない限り、時価で買い取らなければならないと定めており、農業の継続も緑地保全の双方からも大きな危機です。生産緑地の2022年問題をどのようにとらえているのか、市長の見解、新規就農者を含む農業者・地域住民の意見を反映した都市農業振興計画の策定を提案しました。

答弁では、2020年問題については、買い取り申出可能時期を10年間先送りする、特定生産緑地指定制度の創設についての、国の動向にも注視するにとどまりましたが、農地は農作物の生産の場のみならず、緑の環境や良好な景観をつくり、防災機能や都市生活にやすらぎと潤いを与えるとし、多面的な役割を担っていると認めました。農業者の高齢化や後継者不足に起因した農地の減少と遊休化を防ぐとともに営農意欲のある農業者への農地の集積を積極的に進め、計画の策定についても検討していくと大変前向きな答弁でした。

中項目2)身近な地場野菜を食べ続けるために

昨年10月、私は、ジャーナリストで出版社「コモンズ」代表である大江正章氏による都市農業と地産地消をテーマにした学習会に参加しました。かつて79%と旧イギリス、ドイツよりも高い食料自給率を誇っていた日本も農業基本法とともに衰退し、大規模化は日本の農業の生産性や競争力を高めるどころか、それを細らせる結果となりました。日本には昔から「身土不二(しんどふじ)」や「四里四方に病なし」という言葉がありました。身土不二とは、身体の健康と土とは切っても切り離せないという教えであり、四里四方に病なしは身近で採れたものを食べていれば病気になりにくい、という考え方を表します。今で言う、「地産地消」や「旬産旬消」という概念に近い考え方です。都市農業は生産者と消費者が近い関係にあり「地産地消」や「旬産旬消」の恩恵にあやかることができます。

12月9日、消費者代表として家族の健康は食からと考え4児を育てている女性、座間市で有機栽培で季節の野菜を栽培されている生産者らをパネリストに、大和市環境農政部・農政課の協力をいただきミニフォーラムを開催しました。有機農法生産者の方のお話は大変興味深く、見栄えを優先させ規格品や過剰包装などの消費者ニーズよりも食の安全や安心を求めるならば、農家が再生産できる価格を適正価格として受け入れることもある程度は必要との認識を強くしました。「食」にまつわるもろもろの実情を子どもたちに伝え、考えさせていくのも本来あるべき「食育」の姿です。

中項目3)地域農業の担い手作りについて

後継者不足が懸念される中、環境問題に関心を持つ市民がぐっと増え、その延長線上で農業や食の安全・安心にも強い関心が向くようになってきたと思います。

今年度農地を土地所有者から借り受け5か所の市民農園を新設したことは大いに評価に値します。今年度農地を土地所有者から借り受け5か所の市民農園を新設したことは大いに評価します。高齢化はたしかに不安要素ではありますが、高齢者が活き活きと元気に、生き甲斐を持って働ける職業のひとつとして農業が考えられます。しかし、農業者の高齢化に対しこれを補充するような新規就農が生じないのでは農業人口は減少します。これからは、市民が都市農業に関わることで食料自給率を上げ、地域農業を守っていくことへ舵を切るべきです。

本市における農地面積は、2012年3月の220.8ヘクタールから2015年3月には211.1ヘクタールと減少し、2016年12月のミニフォーラムでは209ヘクタールと減少しています。

農業への関心と理解を深めてもらうために、農地を貸し出す市民農園や農家の方の指導で野菜を収穫できる体験農園があります。練馬区大泉町の「大泉 風のがっこう」では、3月下旬から約1年間1区画面積約30平方メートルを借り受け種まきや苗の植付けから収穫までを体験できる体験農園を実施しています。丁寧な指導が好評で近くの3つの小学校の3年生児童も農業体験をしています。
園主には安定した収入がえられ、市町村・JAには後継者の育成がはかられるなど多面的機能を有する農地の保全ができるメリットがあります。

市側は農家が開設し、耕作の主導権を持って運営する農業体験農園は、農家の所得安定につながることから機会を捉えて農家に対し開設の案内、PR等を中心に支援するとの答弁を引き出しました。また、新たに市のホームページで地産地消の取り組みを紹介すべきとの提案にもすぐに対応するとのことで、都市農業の魅力が伝わり新たな展開と担い手の発掘にもつながるよう期待するところです。