3月議会より~子どもたちの環境教育と「ヤゴ救出作戦」について~

2017年3月21日 23時59分 | カテゴリー: 活動報告

かつて、本市でも平成17年度10校、平成18年度11校でプール清掃の際にヤゴを捕獲して飼育する活動が行われていました。
ヤゴの飼育観察を通して命を慈しみ自然を愛する心、視点を変えると自然を科学的に見る目を育てるなど、大変意義ある実践と考えます。

中項目1)本市における環境教育について

19年前ネット議員が初めて議会でヤゴ救出作戦を質問テーマにしています。
昔は田んぼやため池がトンボの楽園だったのに、今ではヤゴが生きていける環境を確保してあげなければならないとトンボ池づくりを通しての提案は、虫取り網を持って駆け回ることのできる自然の遊びの場と機会の復元と想像、さらに日本的な自然と共生した街づくりと言えます。

本市が行っております総合学習には環境に特化したものもあります。生活の中にある身近な対象である引地川をフィールドに大和市立福田小学校では、毎年6月に6年生が行う「引地川クリーン作戦」を総合的な学習の一環として行っています。身近な川のごみ拾いを通して環境について考えようと、平成12年から始められ、子どもたちが通学区域を流れる引地川の環境に関心を持つとともに、自分たちでできる活動を自ら考え、実践することを目的に毎年行われております。

平成27年11月発行の教育委員会の学校だより「まなびやまと」では、「未来に残したいホタルの飛ぶ学校」として大和市立下福田中学校の取り組みが掲載されています。平成14年に学校創立20周年を記念して、引地川近くにある裏山の湧水を利用し、ホタル池が作られました。地域の方の協力を得て、ホタルの幼虫の放流、エサとなるカワニナを育てる活動などを通してホタルの保護に努めてきました。
参加した方からは「生まれて初めてホタルを見た。」「ホタルはきれいな水がないと生きられない。」とその生態系にまで意識を向けた感想もあったそうで、身近な存在の川の歴史を知り、そこに生息する生物の存在に気づき、より良い環境を守っていこうと意識するまでに誘導することは、実体験に基づいているからこそ活きてくるのです。

中項目2)ヤゴ救出作戦について

私は、平成15(2003)年に引地川の清掃作業にボランティアとして参加した際、絶滅したとされていたハグロトンボを偶然確認し、翌年16年から市民ボランティアで組織された調査隊として本格的に調査を始めるきっかけになりました。平成23年からは、出現するすべてのトンボについての調査を始めました。平成25(2013)年5月から11月までの期間、引地川の山下橋から泉の森の水源地までのトンボ調査の記録では、一年間で25種類のトンボが確認され、この6年間で引地川だけで30種確認されています。昔に比べて生息する種類も大きく変わり、きれいな水を好む流水性のトンボが7種も確認され水環境が大きく改善されたことがわかります。

トンボは幼齢期をヤゴとして川や池などで過ごし、羽化して成虫になると草地や森に飛んでいき、水陸両方の環境が整っていることが必要です。したがって環境指標のひとつとしてとらえられています。トンボには川などの流水域に産卵する種類と田んぼや池などの止水域に産卵する種類があり、大和市のように田んぼや池がない都市では、学校のプールが貴重な産卵場所となっており、命が育まれている。ということではないでしょうか。

毎年夏のプールシーズンが終わると、トンボたちは、秋から冬にかけて使われていない学校のプールに卵を産みます。
プールに産み落とされた卵は、まだ暖かいうちに孵化し、ヤゴの状態で一冬かけて成長し、暖かくなった5月から6月にかけて羽化しトンボの成虫になり飛び立っていくのです。水泳授業の終わったプールは、秋以降は消毒液が入れられず、防火用水として水がためられます。栄養分とともにプランクトンやアカムシなどの小さな生物が育ちはじめ、生き物が生息する立派な「水辺空間」となります。

ところが、プール開きに備えて掃除をするために消毒薬が入れられ、水をぬいてしまうと、そこで命をつないでいたたくさんの生き物がみな死んでしまうことになります。その命を子どもたちが自分の手で救うことで身近な環境の中で生きている生き物に関心を持ち、生き物の命の大切さに気づく貴重な体験ができるだけでなく、命を守ることで、生態系や自然環境を守ることに役立てたことへの気づきにつながります。

私たちは、生活など様々な視点で環境問題を考えていかなければなりません。特に、子どもたちへの未来に関わることですから、学齢期の子どもたちにもわかりやすい教育が望まれます。

また、子どもたちへの環境教育は子どもを介して家庭へも波及することが期待されます。

川が汚れていた頃は生き物も住めない環境であったが、下水道の整備がなされ、やがて川でトンボたちが復活するまでの間、学校のプール等で細々と命を繋いできたとも考えられます。そんな経緯も下水道整備の重要性や環境に配慮した生活を学ぶことができます。自分たちの手でトンボを守り育てたという命の教育にも通じると思います。
川が身近になくても、学校のプールにヤゴなどの生き物が息づいていることを多くの児童に知って貰いたい。そのために、「ヤゴ救出作戦」を子どもたちの授業や職員研修で取り組むよう提案しました。
原発事故後、放射能の影響を心配し横浜市の小学校では一度はヤゴの救出は中止していましたが、現在は安全を確認したうえで再開しています。

大和市教育委員会の見解は、現状では問題が無くても保護者に「安心」と理解を得られるか難しいとの判断でした。実際に放射線量を計測し確認していても、ニュースで福島第一原子力発電所関連のニュースが報道されるたびに不安に駆られるのは理解できます。原発事故は、6年が経過してもなお、子どもたちの学びの機会さえも奪っていることを実感しました。

プール清掃の際に、職員が見つけたヤゴを教室で飼育している例もあり、ひっそりと命を繋いできたものへの暖かい思いやりも大切にしたいところです。