葛飾区 介護予防・日常生活支援総合事業 視察報告

2017年9月1日 23時11分 | カテゴリー: 活動報告

~発展的再構築により制度化された 葛飾区版 総合事業~

8月31日、介護保険プロジェクトメンバー8人で、葛飾区福祉部高齢者支援課に介護予防・日常生活支援総合事業(以下総合事業)の制度計画策定から完全移行までの経緯を聞きました。

葛飾区の高齢化率は、2014年は23.6%でしたが、2016年には約1ポイント上昇し24.4%となり、同年の介護予防サービスの利用者は、訪問型で8,827人、通所型で9,179人の延べ18,006人の方が利用されていました。

総合事業の計画づくりでは、協議体の依頼はかけず、懇親団体579事業者に働きかけを行い、2015年からの準備期間を経て2016年から本格的実施となりました。

国の予防給付のサービスの継承を行わずに制度化するにあたって、厚生労働省のチェックリストに該当しない方も事業者として訪問サービスAの家事援助のみのサービスを1回45分で認定者より15%ほど安く利用が可能で、国のみなし基準は原則1カ月の固定利用料が設定されていますが、葛飾区では1回ごとの利用実績に応じて利用料を負担するとし、利用回数にも制限を設けるなどサービスが細分化されています。

2017年8月31日時点での事業者数は、訪問型事業所 167カ所、通所型事業所 179カ所となっていますが、事実上の報酬減について多くの意見が寄せられたそうです。事実、この事業にNPO法人などの参加はなく、区は今後立ち上げる住民参加型で活躍を期待しています。

住民主体型サービスの構築は、まさに地域づくりですが、葛飾区では従前から二次予防事業で*ハンディキャブという移動サービスを葛飾区社会福祉協議会が実施しているため、Dの移動支援は実施しない方針です。今後、住民参加型サービスBのうち、通所型サービスを2018年度から開始する予定とのことです。

葛飾区は、全国一律の基準に基づくサービスから、利用者の枠を認定者以外にも広げ、同じ内容の家事援護サービスでも要支援者と要介護者とで利用料に差をつけるなど、利用者にとっては使い勝手が良い制度となっています。一方、固定利用料の見直しは利用者の当日のキャンセル対応など、事業者側には混乱もあるようです。
制度が持続可能なものになるような制度設計が求められます。

神奈川ネット介護保険プロジェクトでは、総合事業への移行後の生活支援サービスで困難を感じていることはなにか、検証を進めてます。

神奈川ネットは、「子育て介護は、社会の仕事」と政策で謳っています。必要になった時、誰でも使えるサービスであるよう、利用者や現場での声をいかして政策提案を続けます。

 

*ハンディキャブ:要介護認定を受けている歩行困難な方や車いす利用の方を対象に年会費1,000円、走行1時間あたり1,000円などのサービスを受けることができる移動サービス。利用登録が必要。