主要農作物種子法廃止に際し日本の種子保全の施策を求める意見書,賛成討論

2017年10月10日 00時39分 | カテゴリー: 活動報告

稲、麦類、大豆といった主要食品3種を対象とした「主要農産物種子法」の廃止法案が4月に可決し、来年4月にも施行されます。
「主要農産物種子法」は、戦後の混乱の中で、「食料を確保するためには種子が大事」と、主権を取り戻すのとほぼ同時に取り組んだのがこの種子法の制定でした。確かな種を確保し、国民への安定供給をめざして1952年に制定され、以降、公的機関によって優良品種の開発と検査管理が行われてきました。

種子法は戦後日本の食糧安定供給のために、稲、麦、大豆の種子を、食料主権の観点のもと、国や都道府県が主導して生産、普及することを目的として制定された法律です。
種子法が廃止されたことにより、農業試験場などの公的機関の予算が縮小される恐れがあり、国民の公共財である種子や関連事業を、外資系を含む民間企業へ払い下げる事態になることが懸念されます。

たしかに、付帯決議では、都道府県がこれまで通り種子をつくるための財源を確保すること、多種多様な種子の生産を確保し、特定の事業者による独占によって弊害が出ないようにすることなどが記されています。したがって、種子法が廃止になっても何も変わらないというのが農水省の主張です。しかし、変わらないのであるならば、なぜ廃止するのでしょうか。

神奈川ネットのメンバーが今年8月に三重県を旅行したさいに、8月なのに稲刈りが終わっている田んぼが多いことに驚いて聞いたところ、紀伊半島は台風の通り道になるので、被害を避けて8月に稲刈りをする品種で作付を行っているとのことでした。日本の農業は、このように稲作を始めた直後から、種と向き合い、地域の気候風土に合った持続的かつ安定的な生産に努力してききています。
支えてきたのは種子法でした。都道府県の農業試験場では、それぞれの地域にあった特性のある品種が開発されてきました。

米国やメキシコのトウモロコシも稲と同じように多様でしたが、遺伝子組み換えの(GМ)種子が出てきてから、数種類に減ってしまっています。
GМ食品の問題は、巨大企業が独占する種子との闘いです。 一企業の一品種の種子だけが普及し、それ以外の種子がなくなってしまっては、気候変動や政変などがあった時、その影響は計り知れません。食べ物を自分たちで生産できなくなってしまいます。種子の支配にはそのような危険があります。

種子は公共財なのですから、利益の対象として大企業が独占するような性質のものではありません。まして主食であるコメについては十全な規制が働くべきで、その根拠となっていたのが種子法です。

種子法の廃止で特に懸念されるのは、家畜の飼料となる飼料用米がGМになることです。今、コメの消費量は毎年8万トンずつ減少しており、今後、少子高齢化や過疎化で人口も減っていきます。政府は2018年に作るコメから生産調整(減反)をやめ、主食用のコメの補助金もなくす方針を出しており、この状況の中で、補助金のある飼料用米に移行する農家が急増しています。

自分が食べるコメについてはGМ米は嫌だと思っている人は少なからずいるでしょうが、飼料用米はGМ米であってもいいと考える人も出てくるのではないでしょうか。補助金なしで飼料用米ができるとなれば、都市部の国民も支持するかもしれません。
この点が非常に心配です。

本市の学校給食は、遺伝子組み換えのGМ食品を使わないとしていますが、種子法廃止が施行される来年4月以降、学校給食にGМを飼料とした食肉が出てくる恐れは十分にあります。

神奈川ネットは、種子法の廃止に反対し、種子法に代わる新たな法整備など日本の種子を保全するための施策を強く求めます。