産直エネルギーで地域を元気に!~エネルギーの自治と地域づくりに学ぶ~

2018年8月5日 14時23分 | カテゴリー: 活動報告

8月4日、飯館電力(株)取締役 千葉訓道さんによる学習会「飯館電力の取り組みに学ぶ」が開催されました。

千葉さんは、福島に家族を残し単身赴任中でしたが、ご自身の誕生日である3月11日を家族と祝うため東日本大震災の前日から帰郷し未曾有の大震災を経験されました。

着の身着のまま家族とともに赴任先の借家に避難しましたが、首都圏でのギャップに違和感を覚え、残りの人生を故郷の復興再生に直接的にかかわりたいとUターンを決意されたそうです。

再生の場とした福島市土湯温泉町は、二本松市と福島市の中間地点くらいで、安達太良山の北側の麓にある温泉地です。
地域はもともと源泉を利用した地熱発電と東鴉川(ひがしからすがわ)の小水力の発電事業を行っていました。地域で必要なエネルギーは小水力で賄われ、余力は首都圏のために作られていましたが、大震災後に5件もの温泉旅館が廃業に追いこまれ発電施設も壊滅的となりました。

人口の中で65歳以上が46.5%の限界集落にとって、震災被害と安達太良山により放射能の被害は少なかったものの風評被害は地域経済を絶望的に破壊しました。

発電で地域を再生しようと29人の有志による(株)元気アップつちゆが立ち上がり、国直轄の砂防堰堤「東鴉川第3砂防堰堤」を利用した小水力発電所(2015年4月竣工、140kW)と既存の温泉井戸を利用し低沸点媒体を蒸気化しタービンを回すバイナリー発電所(同年11月竣工、400kW)が稼働。

バイナリー発電機や取水施設、遊歩道を含む発電施設を観光資源として全国に発信し、地域活性化を目指します。

温泉街の南側にある国登録有形文化財の東鴉川第三砂防堰堤(えんてい)を含む河川約300メートル区間の高さ44・4メートルの急勾配から流れる水勢と水量を利用して発電する小水力発電は 150世帯の電力を賄うことができます。

売電収益は復興再生事業や地域振興に役立てていることが評価され、2017年には新エネルギー財団会長賞を受賞しています。

現在も自然と再生可能エネルギーの体験ツアーを通して地域がエネルギーを自治する意義を伝えています。

2014年からは、飯館村での飯館電力の立ち上げに尽力され、営農型太陽光発電のソーラーシェアリングによる発電と営農の両立を図っています。

日本で一番フレコンバッグを貯蔵している自治体の再生への道のりは厳しいものがありますが、国と村は、避難区域の再編を進めるとして「帰村宣言」を出し618人が帰村しました。その人たちの雇用や生活のための電力を生み出す事業として注目されます。

消費者である私たちの暮らしは、一方的に電力を買わされるシステムから、自分たちで電力を選べるシステムに変わりました。地方の産直エネルギーを選択することもできるようになったのです。私たちが電気を自分で選ぶことが次世代のエネルギーを決めることにつながることを提案していきたいと思いました。

また、地域でエネルギーを自治することは、災害に強いまちづくりにもなります。
この学習会を通して、今一度自治とは何かということを真剣に問うきっかけとなりました。