都市油田で新たなエネルギー自治のステージへ

2018年10月26日 02時16分 | カテゴリー: 活動報告

東京油田カフェ

 10月25日、東京都墨田区にある(有)染谷商店の廃油を利用した多種多様な事業を視察しました。
創業は、1949年。墨田区は土地が廉価で水があることから昔から廃油業者が多く、てんぷらの天かすを回収し、搾油機で油を採取し石けんや肥料に加工する工場が立ちならんでいたそうです。

 その後、自社回収部門の新設によりバイオディーゼル燃料(VDF)ミニプラントが完成し、世界で初めて植物油から軽油代替燃料(VDF燃料)開発を成功させました。廃食用油でつくったVDF燃料は、二酸化炭素を増やさないエコな燃料であるだけでなく、適切な処理をすることで家庭から大量に廃棄される油で河川の水質汚濁などの環境負荷を抑制します。

 家庭から廃棄される廃食用油は、年間10万キロリットルともいわれています。実際に廃棄する際は、高価な凝固剤を使ったり、新聞紙で吸わせるなどのほか、中には排水溝に直接流している場合もあります。

精製された廃食用油

 

VDF燃料発電機(10キロボルト)とソーラーパネル

 創業者のお孫さんにあたる染谷ゆみさんは、現在「東京油田」を運営する(株)ユーズの代表取締役として、私達の食生活を豊かにする「油」の再資源化を通して、生活環境の改善に貢献していくための、新時代のリサイクルプロジェクトを展開しています。

20年前は、全国の家庭から年間20万トンの廃食用油が集まりましたが、都市にはもっと多くの油量が眠っており、311以降、脱原発を模索する一環として、VDF燃料による発電に注力してきました。

 協力企業も現れ、移動可能なバイオディーゼルプラントや、集合住宅や施設などの電力供給も行っています。

 東日本大震災では、被災地の小学校の避難所に400ℓのVDF燃料と発電機を持ち込み、ストーブや電気がつくよう支援しました。発電時の硫黄酸化物は、ほぼゼロということでクリーンなうえに、原発と違い発電を自由に止めることができ災害時の非常用電源としても有効です。私たちが日々生活する中で廃棄される油を電力資源として活用することもまたエネルギーの自治につながると元気をいただきました。