介護保険制度は、介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるように、社会全体で支え合うことを目的とした制度として2000(平成12)年4月から施行されました。
これにより、これまで主に女性が担ってきた高齢者介護は、公的サービスの提供が受けられることになりました。社会的インフラが整備され、福祉用具にも補助が利用できるようになり、企業の参入や技術の進歩により、福祉用具の充実など介護保険が果たした役割は大きなものがあります。
しかし、3年ごとの制度の見直しで利用者本位のサービス利用から、制度の持続可能性へと優先順位が移り、措置から予防へと目的も変わってきました。
11月8日、NPO法人やワーカーズなど介護現場の声を国に届けるアクションの一環として衆議院第二議員会館内で院内集会が行われ、参加してきました。
今年で3回目となる集会では、目まぐるしく変わる制度に行政や現場が混乱している様子や、施行後に制度を周知するも利用者や家族の理解が得られない、事業運営が非常に厳しくなっているなど苦しい現状が語られました。
有識者の中には、介護保険制度はもはや考えながら走る制度になったと揶揄する声もあります。それは、この間一度も制度改正後の検証がされていないことからもはっきり伺えます。
机上の議論ではなく、現場に足を運んで利用者や家族、現場の声を聴いて欲しい。そもそも高齢者介護は昔も今も女性が関わることだから軽視されるのではないかという声に真摯に向き合うべきです。