2035年、介護保険はどう変わる?

1月28日、「改正介護保険を考える」をテーマとした学習会に参加しました。

2021年4月実施の改正介護保険は、ケアプランの有料化、要介護1・2を軽度者として介護保険給付から外すなど議論の根幹をなすものは継続審議となりました。

その一方で、2022年4月から75歳以上であっても現役並みの所得者には、受診時の窓口負担を「原則1割」から「原則2割」に引き上げることが決定されました。政府は、公費や保険料でまかなう医療給付費を年約8千億円減らせると試算し、保険給付費の削減より医療費の削減を選択したとみられます。これによると年金収入(1人世帯)280万円の方は、自己負担が2倍になることが確実となります。物価スライドで年金は年々目減りする中、医療費の負担増はさらに高齢者の生活を脅かす恐れがあります。判断基準は、慎重に見極める必要があります。

講師で淑徳大学総合福祉学部教授の有機康博氏も、このまま医療費の2割負担を拡充していくと社会保障の信用がなくなると警鐘しています。

また、2035年には介護職不足が深刻化することから、介護保険部会では「現金給付」の議論が始まっています。ドイツでもすでに現金給付が実施されているため、マンパワーの不足を現金給付で補うことにそれほど抵抗はないとの見方です。
しかし、これには大きな落とし穴があります。現金を渡されても施設不足や、元より介護職が不足しているため、サービスを買えない場合があるからです。
結局、家族が担うこととなれば、「介護の社会化」からさらに遠ざかることになります。将来の社会の変化に向け、介護の在り方も考えていく必要がありますが、制度の本質が見失われることがあってはなりません。