菌と戦うこの時代に、抗菌剤のリスクを正しく知ろう

昨今の新型コロナウイルスの拡大に伴い、衛生面における対策として菌の増殖を防ぐ効果のある、抗菌仕様の製品が市場に多数出回っています。

身のまわりの抗菌については、一般的な石けんで十分に菌を抑制できることが証明されています。石けんはその成分云々よりも、洗い方そのものが重要であると言われており、手のひらだけでなく、指先や指の間、手の甲までもしっかりと石けんで洗い流すことで、大抵の菌は抑制することができます。

2016年、米国食品医薬品局(FDA)は、トリクロサン等への接触で大腸がんにかかるリスクが高まるとの研究結果を受けて、トリクロサン等19成分を含有する「抗菌石けん」を、米国において1年以内に販売停止する措置を発表しました。それを受けて同年9月30日、厚生労働省は日本化粧品工業連合会、日本石鹸洗剤工業会に、これらの成分を含有する「薬用石けん」に関し、含有しない製品への切り替えに取り組むよう、会員会社に要請しています。

一般的な抗菌石けんと薬用石けんの違いは、抗菌石けんには菌を抑える成分が配合され、衛生面を向上させる効果をもつ石けんを指します。そして、問題となったトリクロサン等の成分は、抗菌剤として含有されています。

一方、薬用石けんは薬事法で医薬部外品に該当し、何らかしらの薬用成分を配合した石けんを指し、必ずしも抗菌作用があるとは限りません。

抗菌剤を使うことで、耐性菌が増えるリスクもあり、化学物質などのアレルギーがある場合は、できるだけ毒性のある化学物質や香料などは避けたいものです。しかし、今なおトリクロサンと同等の抗菌剤を含有した製品が製造されています。

手洗いの際、石けんを使い汚れ(特にアブラ汚れ)を浮き出たせ、その後水洗いするのが細菌やエンベロープを持つウイルスを除去するのには有効です。石けんも使いすぎると、皮膚のバリア機能に必要な皮脂をも洗い流すことになります。

もちろん、大切なのは感染症を周りに拡げないようにする予防であることは言うまでもありません。