爆音だけじゃない~住民生活を脅かす軍事施設 4.9シンポジウム~

厚木基地に飛来したオスプレイ 爆音研究センター提供

4月9日、戦闘機や自衛隊機の航空機騒音被害にとどまらず、厚木基地に関連する問題がいくつか議論の俎上にあることから、それらについて報告を受け、討論する集会が企画され報告者の一人として参加しました。

当日は、県央を中心として活動する平和運動団体からオスプレイ、新型コロナウイルス、泡消火剤PFOS等の汚染問題、基地強化が続く沖縄の現状などが報告されました。

昨年、厚木基地に隣接する日本飛行機厚木工場(大和市)で米軍輸送機オスプレイの定期整備が実施されることが明らかになり、今年2月9日には整備機体と思われるMV22オスプレイが突然厚木基地に飛来しました。その後も、米軍との共同訓練に伴いオスプレイ等の給油拠点として厚木基地が使用され、危険な変換モードでの飛行、夜間のタッチアンドゴーが確認されています。事故の危険だけでなく、運用上非常に問題があると捉えています。

また、全国の基地周辺や工業地帯での有機フッ素化合物汚染も深刻です。2019年の環境省による全国水質調査の結果、1都2府10県の37地点で在日米軍基地や工業地帯の周辺の地下水などが発がん性など毒性の強いPFOSやPFOAに広く汚染されている実態が浮き彫りになりました。大和市民にとって身近な引地川でも環境省の目標値(1リットル当たり50ナノグラム)の約5倍もの高濃度の有機フッ素化合物汚染が確認されました。2019年の6月議会で、神奈川ネットは環境省の目標値ではなく、水質の安全基準値を定めるなど有機フッ素化合物に関する安全対策を強化するよう国に求める意見書を提出し全会一致で可決しました。

2020年、2021年度調査でも引地川の特定の調査地点で高濃度の値が確認されていることから消防や自衛隊基地で使用されているPFOS含有泡消火剤との因果関係について調査し議会でも質問しました。大和市には二つの河川がありますが、うち境川は2010年にPFOS の製造・輸入が原則禁止されて以降、目標値以下で推移しています。ところが、厚木基地に沿うように下流の藤沢市へと流れている引地川は毎年目標値を上回る箇所が多数確認されています。2020年に防衛省は、「防衛省におけるPFOS含有消火薬剤等の保有状況について」として全国の駐屯地等の保有量を公表していますが、厚木基地の保有量は25,780リットルと海上自衛隊の中では5番目の保有量となっておりPFOSやPFOAの性質上無関係とは思えません。自衛隊の直近の保有量は9,200リットルで、2021年度中に代替品に交換するとのことですが、すでに配管や土壌などに付着したPFOSやPFOAが今後も環境中に流れ出ることは十分に考えられます。近隣の座間市では、地下水を飲料に使用していますが一部で汚染が判明し、取水を止めるなど市民生活や健康被害への懸念が出ています。

これまで飲用水や水道水に混入したPFOSやPFOAを体内に取り込むことで潰瘍性大腸炎、腎臓がん、精巣がん、甲状腺疾患、妊娠性高血圧、低出生体重ほか発達影響、ワクチン抗体価の低下、脂質・代謝、前立腺がん・膀胱がんの増加が明らかになっていますが、触れただけでも健康に影響があることはこれまで公表されていません。2021年2月に航空自衛隊那覇基地で泡消火剤が流出し、民間地域に飛散した事故では、消火剤に接触した海兵隊員が皮膚炎や吐き気、呼吸困難を訴えたことが米軍の報告書に記されていると琉球新報で報じられています。米軍は、人体に対する健康被害の事実を知っていて、接触などを控えるよう報道機関を通して呼びかけたにも関わらず、自衛隊は「毒性や損傷性はほとんどない」と広報したとありました。米軍基地が保有するPFOS含有消火薬剤の情報公開も含め日米地位協定により必要な情報が周知されないことは大変問題です。

今後、汚染源の特定のため、水質調査と並行し基地内のボーリング調査の必要性を訴えていきます。